アメリカの教育事情

アメリカの教育事情

アメリカの教育システムは、ありとあらゆる選択肢を学生に提供しています。プログラムの選択肢の豊富さ、さまざまな学校、そしてロケーションの多さは、アメリカ人学生でも圧倒してしまうほどです。学校を選択するにあたり、まずはアメリカの教育システムを理解することが重要です。アメリカの教育がどのように成り立っているかを理解すれば、学校の選択肢を絞り込み、今後の留学計画を進めやすくなるでしょう。

教育システムの構造

プライマリースクール/セカンダリースクール (小中学校、高等学校)

アメリカの学生は、高等教育を受ける前にまずプライマリースクールとセカンダリースクールで合計12年間学びます。学年はそれぞれ、1年目を「ファースト・グレード(first grade)」、12年目を「トゥウェルフス・グレード(twelfth grade)」など、学年を通じグレードで呼ばれます。

一般的に「エレメンタリースクール」と呼ばれるプライマリースクールには6歳前後で入学し、5〜6年間勉強した後、セカンダリースクールへ進学します。セカンダリースクールは、日本の中学校にあたる「ミドルスクール」あるいは「ジュニアハイスクール」と、高校にあたる「ハイスクール」の2つのプログラムから成り立っています。学生はハイスクール(12学年)を卒業すると、卒業証書、または認定証書を授与され、「ハイヤーエデュケーション(高等教育)」として知られるカレッジや大学に進学します。

成績評価システム

留学生もアメリカ人学生と同様に、カレッジや大学への入学申請の際に申請書とともに公式の成績証明書を提出しなければなりません。アメリカでは、「グレード(grade:成績)」および「グレードポイントアベレージ(GPA:成績平均値)」が成績評価の基準として使われ、大学入学合否を判断する際にも参考にされます。グレードは通常クラス内で相対的に評価された後、A、B、Cなどのアルファベットで表されます。

特に留学生にとって、アメリカのグレードを使った成績評価やGPAはなかなかわかりづらいものです。グレードの解釈は多様にわたり、例えば、平均レベルとトップレベルの各高校から卒業した学生2人が、ある大学に同じGPAの成績で入学申請したとしても、大学側はそれぞれのGPAを同じようには評価しない可能性があります。なぜならそれぞれの高校のレベルがとても違うからです。 そのため、入学申請の際には、以下の点について特に心に留めておくことが必要です。

  • 日本での最終学歴がアメリカでどの教育レベルに相当するかを確認する。
  • プログラム自体の入学申込要項だけでなく、大学やカレッジの要項についてもよく理解しておく。プログラムと大学の求める書類が異なる場合があります。
  • 教育アドバイザーやカウンセラーに定期的に会い、自分が入学条件に満たしているか確認する。

教育アドバイザーやカウンセラーは、あなたが大学入学条件を満たしているか、あるいは、準備期間としてさらに数年間費やす必要があるかをアドバイスしてくれるでしょう。日本の大学への入学条件を満たしていない場合は、アメリカで習得した教育を政府や企業が正式に認めない場合もあります。

アカデミックイヤー(学年度)

学年度は通常8月あるいは9月に始まり、5月あるいは6月に修了します。アメリカ人の多くが秋学期に入学するので、その時期に入学するように計画するといいでしょう。年度始めはとても活気にあふれ、すべての新入生が大学での生活に順応しようとしている時期なので、友達を作るたくさんの機会に恵まれます。また、多くのコースは、秋学期から1年間順序立ててクラスをとるようにデザインされています。

学校の多くが年間2学期からなるセメスター制(学校によっては年間3学期のトライメスター制)を導入していますが、任意で履修できるサマーセッションを含む年間4学期のクォーター制を導入している学校もあります。基本的に、もしサマーセッションがない場合は、その学年度は2セメスターか3クォーターでなりたっています。

ハイヤーエデュケーション(高等教育)の仕組み

レベル1:アンダーグラデュエート(学士課程)

学士号を取得していない学生が大学に入学する場合、まずアンダーグラデュエートつまり学士課程レベルで学ぶことになります。学士課程はコミュニティーカレッジまたは4年制大学で始めることができ、取得までには通常4年間かかります。

学士課程の前半2年間は、広範囲な分野から様々な内容のクラスを受講することを求められます。これらは、一般的に必須科目として知られる文学、科学、社会学、美術、歴史などで、専門的な分野に進む前に、一般教養や幅広い分野での基礎知識を培います。

多くの学生が、必須科目の単位を取得するために、学士課程の前半2年間をコミュニティーカレッジで履修します。コミュニティーカレッジでのコースを修了すると、準学士号(AA)を取得し、4年制大学に編入することができます。

「メジャー(major)」とは自分の専攻分野のことで、例えばメジャーがジャーナリズムの場合、ジャーナリズムの学士号を取得することになります。学士号を取得するには、自分のメジャーにおいてある一定数の単位を履修する必要があります。メジャーは3年生になる時に決めなければなりません。

アメリカの高等教育システムの特徴の1つとして、メジャーを何度も変更できることがあげられます。アメリカ人学生の多くが、メジャーを選択した後に他の専攻分野に興味をもち、学士課程の途中でメジャーを変更しています。アメリカの教育システムはこのようにとても融通が利きますが、メジャーを変更することによって履修すべき単位が増え、より長い期間と多くの費用がかかることになる可能性があることも注意する必要があります。

レベル2:グラデュエート(大学院修士課程)

学士号を取得後、自分のキャリアのために修士課程に進学することを真剣に考えている人もいるでしょう。図書館学や工学、行動保健学、教育などの分野でより高いポジションにつく場合、通常、修士号は必須と考えられています。アメリカの修士課程プログラムに申し込む前に、将来就きたい職で求められる最低学位を調べておきましょう。

修士課程プログラムは通常4年制大学で提供されています。入学申請にあたっては、GRE(graduate record examination)と呼ばれるテストを受ける必要があります。また、ロースクールへの入学にはLSAT、ビジネススクールへはGREまたはGMAT、メディカルスクールへはMCATなど、プログラムによっては特定のテストを受けることが要求されます。

修士号を取得するには、通常1〜2年かかります。例えば、非常に人気の高いMBA(経営学修士号)は2年間ですが、ジャーナリズムなどの専攻は1年間で取得できます。 修士課程では、ほとんどの時間を教室での勉強に費やし、学位を取得するために修士論文と呼ばれる研究論文を提出するか、修士課程プロジェクトを完成させることが求められます。

レベル3:グラデュエート(大学院博士課程)

多くの大学院では修士号が博士号取得への第一歩と考えられていますが、その一方で修士号を取得することなく博士課程に直接進学することも可能です。博士号取得にはアメリカ人学生で3年以上、留学生だと5〜6年かかる場合があります。

ほとんどの学生が博士課程の前半2年間を教室やセミナーで学び、その後少なくとも1年間直接研究に携わるか論文に取り組みます。これらの論文は、まだ発表されていない見解、デザイン、あるいは研究を含んでいなければなりません。

博士論文とは、与えられたテーマにおいて現学識の論考と要旨をまとめたものです。博士号を取得するには、2言語において読解能力があること、研究者としてある一定期間在籍すること、選考試験に合格すること、論文と同じテーマについての口頭試験をパスすることが、アメリカの大学院の多くで求められています。

アメリカの高等教育システムの特徴

クラス環境

クラス規模は、数百人の大講義から少人数のクラスやセミナー(ディスカッションクラス)まで様々です。アメリカの大学の授業はとても活気にあふれており、学生は自分の意見を述べ、討論に参加するなど、授業への積極的な参加が求められます。日本の受け身な授業に慣れている人にとって、これは驚くべきアメリカの教育システムの特徴のひとつと言えるでしょう。

教師からは、教科書や文献を読むなど、毎週なんらかの宿題が出されます。授業中、討論に参加し講義を理解できるように、与えられた宿題はきちんとしておかなければなりません。実習室での実習が義務づけられる専攻もあります。

教師が各学生の成績を評価する際に基準とするのは以下の通りです。

  • 授業参加度:教師はそれぞれ独自の授業参加要項をもっていますが、共通しているのはクラス討論、特にセミナークラスへの参加度です。これは、成績評価において重要な要因になります。
  • 中間試験の成績:通常授業中に行われます。
  • リサーチペーパー、期末レポート、あるいは実験レポート:成績評価を受けるためには、ひとつ、あるいはそれ以上の提出が求められます。
  • 小テストまたは「クイズ」:時々前触れなく抜き打ちテストが行われることがあります。これは成績評価にそれほど重要視されませんが、学生に学習と授業出席を促す目的で行われます。
  • 期末試験:学期のすべての授業が終わった段階で行われます。

単位

各コースには、それぞれ決まった「クレジット(credit:単位)」や「クレジットアワー(credit hour:単位時間数)」が割り当てられています。これらはそのコースの授業を週に何時間受講しているか、その時間数にだいたい相当し、1コースあたり3〜5単位が通常です。

ほとんどの学校においてフルタイムのプログラムは、12または15クレジットアワー(学期あたり4つまたは5つのコース)で構成され、卒業するにはある一定数の単位を取得する必要があります。留学生の場合、ビザを維持するためには、各学期でフルタイムのプログラムを受講することが求められます。

編入

学位を取得する前にほかの大学に籍を移す場合、通常、前の学校で取得したほとんどの単位を新しい大学に移行させることができます。これは、新しい大学への編入を意味し、よけいな時間をかけずに卒業することができます。

成績の見方

アメリカの高等教育が受けられる期間

1. 州立4年制大学

州や地元の行政が補助し運営をしているのが、州立大学です。アメリカ各州には州立大学が最低1校はあり、単科大学を複数運営する州もあります。多くの場合、Washington State UniversityやUniversity of Michiganのように名前に州名や「State」という単語が含まれています。

2. 私立4年制大学

私立大学は、州立大学が州政府によって運営されているのとは反対に、個人によって運営されています。学費は通常州立大学より割高ですが、学校規模は小さいことがしばしばです。宗教系大学も私立大学に含まれます。ほとんどの宗教系大学で宗派、信仰を問わず学生を受け入れていますが、ある一部では創立の母体となった宗教と同じような信仰をもつ学生をより受け入れる大学もあります。

3. コミュニティーカレッジ

コミュニティーカレッジとは2年制カレッジのことで、修了すると準学士号または修了証が授与されます。カレッジでは様々な種類の準学士号を提供していますが、重要な違いは4年制大学への編入が可能かどうかです。準学士号は通常、大学編入と職業訓練の2つの主要なタイプに分けることができ、大学編入プログラムは、一般的に文理系準学士号のことをいいます。応用化学系準学士号(AAS)や修了証の場合、大学編入ができない場合がほとんどです。

コミュニティーカレッジの卒業生のほとんどが、学士課程を修了させるために4年制大学へ編入していきます。コミュニティーカレッジで取得した単位を移行できるため、編入後2年間ほどで学士号を取得することができます。また、多くのカレッジでESLや集中英語プログラムを提供しているので、留学生は大学進学に向けて英語力を伸ばすことが可能です。 準学士号以上の学位を取得する予定がない場合、就職先によっては準学士号の資格では不十分なこともあるので、事前に調べておきましょう。

4. インスティテュート・オブ・テクノロジー (工科大学)

科学技術の分野において、4年間あるいはそれ以上のプログラムを提供している学校です。大学院プログラムを設けているところもある一方、短期間のプログラムを提供しているところもあります。

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